「死」を克服することはできるのか
投稿日時 : 2015-08-13 16:55:50
信仰を持つ人には怒られる考え方かもしれませんが、自分が思うのは、「魂」という概念は、人間が「死」を恐れるところから生まれたのではないかということです。
何千年も何万年も前から、人間たちは「死」を恐れ、文明を持ったあとも「死」を克服することはできませんでした。ここでいう克服とは、「不老不死になる」という意味ではなく、「死別」のもたらす恐怖や悲しみの克服ということです。
科学が発達し、さらに高度な文明を持つに至った現在も、人類は「死」を克服できずにいます。だから昔も今も「魂」は信じられ、「人の魂は死後、天国へ行く」という教えに救いを求めるのでしょう。
無神論者が多い日本人でも、お葬式を通じて、仏教的な「死後」をイメージすることで、ようやく愛する人の死を受け入れられるのではないでしょうか。たとえば自分の親が亡くなっても、きっと天国から見守っていてくれる。そう想像するだけで心は少し救われるものです。
そういった救済の概念がなければ、人は「死」というものを受け入れることは到底できないと思います。